セス・リグス氏が創始者のSLS(Speech Level Singing)、またSLSのマスターティーチャーらによって設立されたIVA(Institute for Vocal Advancement)メソッドに基づいて声のバランスを整えていきます。

■ミックスボイスを見つける

低音から高音へと上がっていくとき真中あたりで喉が締め付けられたり声がひっくり返って弱くなったりなど非常に歌いづらくなる音程があります。そこが声区と声区のつなぎ目のところで“ブリッジ”“パッセージ”といいます。ここが最も声のバランスを崩しやすいところで、低音部(チェストボイス)と高音部(ヘッドボイス)をMIXさせていく必要があります。これがいわゆるミックスボイスです。チェストボイスとヘッドボイスを混ぜ合わせ、うまくバランスをとれるよう訓練することで声が一本化して聞こえるようになります。

■適切な声帯の閉鎖力をつける

声は肺から送りだされた息に対し2本の筋肉のひだである声帯が閉鎖し振動することによって声の元となる音を生み、喉、口、鼻といった共鳴腔で増幅されて声となります。息に対して声帯の閉鎖力が弱いと声としては息っぽい声に、逆に強過ぎてもギュッと絞りあげたような声になります。息に対し抵抗できるだけの適切な閉鎖力をつける必要があります。

■母音を置き換える

日本語の母音は「あ」「い」「う」「え」「お」の5つです。
英語は経過の母音も含め10の母音に分類されます。IVAメソッドでは歌いづらい母音をメロディラインとの兼ね合いを見ながらもうひとつ広い母音、あるいは狭い母音に置き換えていくことで声道の形を変え歌いやすくします。例えば日本語発音の「え」は口が横に大きく開く広い母音です。この母音で上昇のメロディラインを歌うと音程が高くなるにつれ喉が引っ張られとても苦しく感じる場合が多いのではないでしょうか。試しに口の開け方を横開きから少したてに狭めて開けることで少し歌いやすくなるはずです。

■安定した喉頭の位置を作る

話をしている時、喉頭は上がりも下がりもせず、安定しています。ハリウッド式ではこの、音程によらず常に安定した喉頭の位置をキープできるように訓練していきます。
高音で喉が上がり、低音で喉が下がりといった上下運動を繰り返していると声のトーンは安定せず、また必要以上に喉頭周りの筋肉を使っているため歌った後の疲労感が残ります。

★SLSはセス・リグス氏が創始者でマイケル・ジャクソン、マドンナ、スティービー・ワンダー、ベット・ミドラー、ナタリー・コールなど世界一流のアーティストが信頼を寄せているメソッドを提供しています。主に話している時のように喉頭を安定させて声を一本化させるミックスボイスにフォーカスしたメソッドです。

★IVAとは元Speech Level Singing CEO(最高経営責任者)であったJeffrey Skouson氏をCEOとし、元Speech Level Singing(SLS)マスターインストラクター達が中心となって構成された団体です。最新のボーカルサイエンスに基づき安全に、かつ高い効力を発揮する発声テクニックを提供しています。